休日のシャツ

クローゼットに柄物のシャツがハンガーに吊るされている。暖色系、寒色系とも花柄が多い。理由は単純でジャケットの内側から花柄のシャツが少し見えるだけでなんとなくお洒落に見えると思っているからである。要は自己満足であったりズボラなだけだったりと安直な考えから花柄が多くなっただけのことである。そんなこともあり休日用のシャツも無地も揃えろうとデパートへ。

さすがデパートだけあり品物も店員さんの説明も申し分ないけれど値段との折り合いが合わず断念。そのまま電車に乗って横浜のとある紳士服店のドアを開ける。ずらりと並ぶカジュアルシャツやセーター類。その奥に白のドレスシャツが木製のラックに置かれている。しばらく眺めていると店員さんがシャツの説明をしてくれる。シンプルなシャツも良いけど今日は休日用のシャツを買う目的なので白のオックスフォードBDに決める。サイズはわかっていたので店員さんに「こちらにしますと」ひと言。すると「ご試着されてはいかがですか?」と店員さん。アウターの試着ならともかくインナーの試着を勧められたのは初めて。お言葉に甘えてシャツの試着をし店員さんにサイズチェック。ジャストサイズなので購入決定。平日の空いている時間帯だったらしく客は冴えないオヤジただひとり。こちらが他にも興味を示すと店員さんはお店の歴史やジャケット、ネクタイの説明などたくさん話してくれる。なんの知識もない小生はただ頷くだけ。これ以上お店にいると財布の中身より物欲の方が勝ってしまうのでお礼を言って退散。お店を出ると商店街は黄金色の灯りに照らされている。お店のロゴ入りの紙袋を持って駅まで歩く。このまま帰るのは勿体無いので少し寄り道していくかと自問自答。

 そんなこんなで休日に着る白シャツが新たにラインナップ。首元が寂しいのでクラバットを巻けばそこそこ春を楽しめるだろうか。今日は得した気分を味わえる一日であった。春待ち遠しい。